| ダイエット法 | 評価* | 報告における 効果の程度 |
科学的 合理性 |
メリット | 注意主観的コメント | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 睡眠 ダイエット |
A | 疫学研究は豊富である | B | 睡眠の量が少ないあるいは、睡眠の質が悪い場合は肥満となりやすいという疫学研究結果が多い。しかし、介入試験が | B | 今後の重要ポイント | ダイエットと睡眠の関係はこれからの重要ポイント。特に睡眠の質が重要と思われる。睡眠時無呼吸症候群はその罹患を認識していない人がまだ非常に多い(現在約5%の罹患率だが今後増えるであろう)。睡眠時無呼吸症候群と肥満の相互関係はまだ十分に解明されていないが、種々のダイエットを試みたのに減量できない方は一度、睡眠時無呼吸症候群の診断をしてみることを推薦する。これで原因不明の問題点が一気に解決するかもしれない |
| 睡眠時 無呼吸症候群 |
B | 睡眠時無呼吸症候群と肥満の関連研究は不十分である | B | 睡眠時無呼吸症候群と肥満が関連することは明らかであるが、肥満が睡眠時無呼吸症を生むのか、睡眠時無呼吸が肥満を生むの | A | 気が付いていない人はこれが鍵を握る場合がある。重要ポイント | |
| 睡眠の タイミング |
A | 疫学研究は豊富である | B | シフトワーカーが肥満になりやすいという報告が多い。しかし、ヒト介入試験は見当たらないので、減量効果は確実である | B | ||
*研究報告状況(かなりの量のヒトでの研究ありA、わずかな人での研究ありB、かなりの量の動物での研究ありC、予測の段階D
2-1 睡眠ダイエット
【睡眠時間と肥満の関係】
睡眠時間が短いことが肥満リスクを高めることを述べている多くの報告がある。睡眠時間と肥満の関係には種々の要素が絡んでいるが、一般論として受け止めてよいと思われる。
さらに、注目すべきは以下に述べる睡眠時無呼吸症候群と肥満の関連である。睡眠時無呼吸症候群はその実態がわかってきてからまだ時間が経っていないために、一般の方の理解が低い。睡眠時無呼吸症候群の有病率は2~7%で、治療が必要な重症度の方に限定しても300万人以上と推計されている。自覚していない方も多く、肥満を含め、原因不明の体調不良が実は睡眠時無呼吸症候群が関連していたという場合が少なくない。以下に、ごく最近の論文だけを上げたが、睡眠時無呼吸症候群と肥満の関連は世界中の注目を集め始めている。睡眠時無呼吸症候群と肥満が関連することは明らかである。肥満が無呼吸症を重症化すること、睡眠時無呼吸症候群が脂質代謝を悪化させることは確からしい。脂質代謝の悪化は肥満につながることから、睡眠時無呼吸症候群が肥満を誘導する可能性は高い。ダイエットが効果無い方は睡眠時無呼吸症候群の可能性を考えてみる必要があるし、逆に睡眠時無呼吸症候群の方はダイエットを考慮すべきであろう。
参考文献2-1
28359703 Exploring the mediating role of energy balance-related behaviours in the association between sleep duration and obesity in European adults. The SPOTLIGHT project.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=28359703
ベルギー、フランス、ハンガリー、オランダ、英国。5900名平均年齢52対象。睡眠時間が増えるごとに肥満になる可能性が低下する。座って仕事をする人にこの傾向が強い。(2017年)
睡眠時無呼吸症候群と肥満の関係
27769851 Effects of continuous positive airway pressure on energy intake in obstructive sleep apnea: A pilot sham-controlled study.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=27769851
米国。肥満はobstructive sleep apnea (OSA)、閉塞性睡眠時無呼吸の主たるリスクファクターである。またOSAはエネルギー摂取増加させ、OSAと肥満は相互に関係することが提案されている。OSAの治療法であるCPAP使用は固定された食事の摂取低下を導いた。
(2016年)
2-2 睡眠のタイミング・ダイエット
日内リズム(サーカディアン・リズム)と肥満の関係は別の項で述べたので詳しくは延べないが、時間治療法(chronotherapy)という概念も生まれている時代に入っていることは強調しておく。
参考文献2-2
27846625 White Adipose Tissue and Circadian Rhythm Dysfunctions in Obesity: Pathogenesis and Available Therapies.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=27846625
アルゼンチン。 レビュー、 夜勤者は肥満になる率が高い。これらのシステムは全体的代謝恒常性を壊す現代社会の日周環境and/orストレッサー変化に対して適切に調節できない。この破壊は肥満/2型糖尿病有病率の世界的増加に貢献していると思われる。大衆健康の見地から、食事時間タイミング、昼間の活動、日光をあびること、適切な睡眠の重要性を認識させるキャンペーンが重要である。障害されたサーカディアン・リズムの理想的回復法の一つとして、肥満患者に対する医薬を使わない最先端治療としての時間治療法(chronotherapy)を提案する。(2017年)
